空冷ポルシェ シリンダーヘッド バルブシートカット
ポルシェ964ターボのシリンダーヘッドのオーバーホールでシートカットしている所です。
ポルシェのバルブガイドはリン青銅製でフリクションは少ないのですが、スチール製バルブガイドより摩耗が早く、
ロッカーアーム式の為こじられるようにしてバルブが開閉する為に走行距離が少なくてもバルブステムとバルブガイドのガタが多くなります。
今回のオーバーホールエンジンはオイル漏れ修理の予定でしたが7万キロ程の走行距離で
エキゾースト側のバルブガイドの摩耗が大きかったのでエキゾーストのバルブガイド交換とインテーク、エキゾーストバルブフェース研磨、インテーク、エキゾースト両方のバルブシートカットを行いました。
バルブガイドを交換してバルブとバルブシートの密着具合を見てる所です。
密着していないのが判ります。
光明丹で確認したところです。光明丹が無くなってる所が密着してる所、光明丹が薄く残っている所が密着が悪い所です。
しかもバルブとバルブシートの当たり面が摩耗してバルブの外側まで拡がっています。
シートの当たり面はバルブの45度面の中央あたりにエキゾーストは1.5mmの幅になるようにシートカットします。
シートカット前のエキゾーストバルブシートです。
写真では判りずらいのですがバルブ外側がブレーキパットとローター当たり面の外径側のように耳が立っています。
これを一番目の写真のパイプに砥石が付いた物で30度、45度、75度と角度を設定して研磨していきます。
45度で研磨した所がバルブとの当たり面、その外側を30度、内側を75度で研磨します。
シートカットが終了して光明丹で確認してる所です。
バルブシートとの当たり面がバルブの45度面の中央にあります。
バルブとバルブシートの閉じてる時の隙間も有りません。
バルブガイド交換、バルブフェース研磨、バルブシートカットは通常は内燃機加工屋さんに依頼をしますが、
シートカットだけは納得のいく物にしたくて工具を購入し自社で行っています。
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